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合成断熱材は、ダウンに代わる優れた選択肢として注目されています。ダウンと同じく、体の近くに熱を閉じ込めて保温しますが、実はさまざまな種類が存在します。

一体どの合成断熱材が自分に合っているのか、迷ってしまうこともあるでしょう。

違いを理解していないと選択が難しいかもしれません。そこで今回は、合成断熱材のテクノロジーについて詳しく解説します。

断熱材はどうやって暖かさを保つの?

すべての断熱材の目的は、熱を閉じ込めて保温することです。ダウン(鳥の羽毛の下にある柔らかな部分)は、自然なふっくらとした暖かさを提供し、多くの合成断熱材がその性質を模倣しようとしています。

ダウンの小さな羽毛は、無数の空気のポケットを作り出し、軽量で圧縮性が高いのに優れた保温性を実現しています。

合成断熱材は、このダウンの特性を再現するために開発されました。極細の繊維を使って、熱を閉じ込める小さな空気ポケットを大量に作り出しています。ダウンに近い断熱効果を得ることができます。

合成断熱材の種類とは?

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合成断熱材には、大きく分けて以下の3つのタイプがあります:

  1. クラスター繊維(ThermoBall®など)
  2. 短繊維(Thinsulate®、PrimaLoft®、Omni-Heat®など)
  3. 連続フィラメント(Climashield®など)

微細な繊維を用いて、熱を閉じ込める無数の空気ポケットを作り出しています。

クラスター繊維

  • ダウンの羽毛を忠実に再現した小さな繊維の球状クラスターで構成。
  • 柔軟性や圧縮性、保温性に優れています。
  • 例: The North FaceのThermoBall®

短繊維

  • 独立した短い繊維の束から成ります。
  • 多くの断熱ジャケットで使用されており、軽量で扱いやすいのが特徴です。
  • 例: Thinsulate®、PrimaLoft®、Omni-Heat®

連続フィラメント

  • 絡み合った長い繊維が塊を形成。
  • 耐久性が高く、ロフト(膨らみ)や暖かさを長期間維持できます。
  • 例: Climashield®

一般的に、短繊維クラスター繊維の断熱材は、柔軟性や圧縮性、保温効率に優れているため、ジャケットに適しています。一方、連続フィラメントの断熱材は耐久性が高いので、長く暖かさを保ちたい場合におすすめです。

主要な合成断熱材の比較

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では、具体的なブランドの断熱材を見ていきましょう。それぞれの特徴を理解することで、自分に最適な断熱材を選ぶ手助けになります。

Thinsulate®

  • 特徴: 極細の繊維を使用し、他の合成断熱材よりも薄くて軽量。それでいて熱をしっかり閉じ込めます。
  • 用途: その薄さから、靴や手袋などにもよく使われています。

PrimaLoft® Gold

  • 特徴: 永続的な撥水性があり、ダウンよりも優れた耐水性を持ちます。通気性、軽量性、圧縮性にも優れ、効率的に熱を保持します。
  • 評価: 多くの専門家が合成断熱材の最高峰と評価。

The North FaceのThermoBall®

  • 特徴: 実はPrimaLoft®社の断熱材で、The North Face専用。ダウンの羽毛を再現した小さな球状の繊維クラスターを使用し、濡れても保温性を維持。
  • メリット: ダウンと同等の暖かさを持ちながら、湿気に強い。

Columbia SportswearのOmni-Heat®

  • 特徴: 保温性の高いマルチデニール断熱材。体温を反射して暖かさを高めるOmni-Heat®リフレクティブライニングと組み合わせて使用。
  • メリット: ロフトと弾力性に優れ、効率的な保温性を提供。

MarmotのThermal R®

  • 特徴:超暖かい」とされ、弾力性、耐久性、通気性に優れる。マルチチャンネルの中空繊維を使用し、湿気を吸収。
  • ユニークポイント: 湿気を移動させる能力が高く、軽量でふんわりとした暖かさを実現。

Arc’teryxのCoreloft®

  • 特徴: 異なる直径の二重撚りポリエステル繊維で構成。繊維を縮ませることで熱を閉じ込め、ロフトを高めています。
  • メリット: 防水性、圧縮性、軽量性を兼ね備えた保温性を提供。

まとめ

今回は、合成断熱材の仕組みや種類、主要なブランドの特徴を紹介しました。ダウンに代わる合成断熱材は、それぞれにメリットがあり、用途や好みによって最適なものが異なります。

自分のライフスタイルや必要な機能を考慮して、最適な断熱材を選んでみてください。これで、断熱ギアを選ぶ際には、より適切な判断ができるようになるでしょう。快適な暖かさを得ながら、アウトドア活動や日常生活を充実させましょう。

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