まだ高品質な耐水性や防水性のジャケットの重要性を実感していない方もいるかもしれません。しかし、トレイルや駐車場で突然の土砂降りに遭遇したとき、その必要性を痛感することでしょう。
防水ジャケットはアウトドアで欠かせない重要なアイテムですが、耐水性と防水性の違いを理解しておくことも大切です。実は、一部の耐水ジャケットには防水ジャケットにはないメリットがあり、特定のシチュエーションでは耐水ジャケットの方が適している場合もあります。
自分に最適なギアを選ぶ前に、耐水性と防水性に関する疑問を解消しておきましょう。
「耐水性」は「防水性」と同じ意味?
耐水性があるからといって、それが防水性を意味するわけではありません。防水ウェアには、耐水ウェアにはない特殊な防水技術が使われていることが多いです。ただし、ブランドによって基準が異なる場合もあるので注意が必要です。
完全に防水と言えるジャケットは、ゴムのような水を通さない素材で作られていない限り存在しません。しかし、ゴム素材は通気性が低いため、快適性に欠けることがあります(頑丈な防水レインジャケットとランニング用の防水スニーカーを比較してみてください)。
防水と耐水の違いは?

防水性と耐水性の違いは、構造にあります。耐水ジャケットやパンツは、通常、表面にDWR(耐久撥水)加工が施されており、軽い雨や雪を弾いてくれます。一方、防水とされるジャケットには、防水透湿膜やラミネートなどの高度な防水技術が使われています。
シームシーリングとは?
防水透湿膜が湿気を防いでも、ジャケットやパンツの縫い目から水が染み込む可能性があります。縫い目は防水ウェアの弱点であり、小さな穴から水が浸入してしまいます。そのため、防水ジャケットやパンツは縫い目をしっかりとシーリングする必要があります。
縫い目のシーリング方法にはいくつか種類があります。テープシームは防水テープで縫い目を覆い、湿気の侵入を防ぎます。ウェルディングシームは縫い目を使わずに生地を接合する方法で、さらに高い防水性を実現します。これにより、縫い目のかさばりや弱点を排除できます。
縫い目がしっかりシーリングされているかどうか、そして防水等級がどの程度かは、悪天候でのギアの性能を判断する重要なポイントです。防水透湿膜と完全にシーリングされた縫い目を持つジャケットやパンツは、最高の防水性を提供してくれます。
防水等級とは?

「防水性」にもレベルがあるのをご存知でしょうか?防水ジャケットやバッグ、テントなどを購入する際、防水等級が記載されていることがあります。これは「耐水圧試験」によって測定された数値で、生地がどれだけの水圧に耐えられるかを示しています。
試験では、生地の上に直径約2.54cm(1インチ)の筒を置き、水をゆっくりと注いでいきます。生地から水が漏れ始めたときの水の高さ(mm)が防水等級となります。例えば、防水等級5,000mmのジャケットは、20,000mmのジャケットよりも早く水が染み込むということです。
ただし、すべてのジャケットに高い防水等級が必要なわけではありません。用途に応じて、適切な等級を選ぶことが重要です。
耐水ジャケットと防水ジャケット、どちらを選ぶべき?
ギア選びは用途によって異なります。スキーやスノーボード、雨の日の街歩きやトレイルランニングには、防水ジャケットが必須です。一方、乾燥した気候での散歩やハイキング、日常使いには、耐水ジャケットでも十分でしょう。
要するに、長時間雨に晒される可能性がある場合は、高品質な防水ジャケットを選ぶべきです。アウトドアを楽しむ方は、クローゼットやバックパックに少なくとも一着は防水ジャケットを持っておくと安心です。
違いを理解した上で、例えば耐水性のワークシューズや防水ブーツなど、他のギアを選ぶ際にも同じ基準で考えてみてください。