質の良いレインジャケットがあれば、ハイキングやキャンプなどのアウトドアアクティビティを天候に左右されず楽しむことができます。
しかし、市場にはさまざまな種類のレインジャケットがあり、どれを選べばよいのか迷ってしまうことも。そこで今回は、レインジャケットを選ぶ際に考慮すべき要素とポイントをご紹介します。
1. 防水性と耐水性の違い

レインジャケットの最も重要な機能は、雨から体を守ることです。しかし、「防水性」と「耐水性」の違いをご存知でしょうか?
防水ジャケット
- 特徴:完全防水の素材と構造で、豪雨でも水の侵入を防ぎます。
- 適した状況:激しい雨や長時間の雨天時の活動。
- メリット:信頼性の高い防水性能で、悪天候でも快適。
- デメリット:通気性が低い場合があり、蒸れやすいことも。
耐水ジャケット
- 特徴:撥水加工が施されており、小雨や短時間の雨を防ぎます。
- 適した状況:小雨や曇りの日、雨が降るかもしれない程度の天候。
- メリット:軽量で通気性が高く、持ち運びやすい。
- デメリット:激しい雨には対応できず、長時間の雨天では浸水の恐れあり。
ポイント:頻繁に悪天候でのアウトドア活動をする場合は、防水ジャケットを選びましょう。軽い雨や予備として持ち歩くなら、耐水ジャケットでも十分です。
2. レイヤー構造の違い
レインジャケットには「2層構造」「2.5層構造」「3層構造」のものがあります。それぞれの特徴を理解して、自分の用途に合ったものを選びましょう。
2層構造
- 構造:表地と防水透湿膜の2層から成り、裏地はメッシュやナイロンが付いていることが多い。
- メリット:価格が手頃で、普段使いに適している。
- デメリット:重量がやや重く、耐久性は中程度。
2.5層構造
- 構造:表地、防水透湿膜、そして内側に保護プリントが施された軽量構造。
- メリット:軽量でコンパクト、ハイキングや登山に適している。
- デメリット:裏地が薄いため、肌触りがやや劣る場合がある。
3層構造
- 構造:表地、防水透湿膜、裏地の3層が一体化した構造。
- メリット:高い耐久性と防水性、長期間の使用や過酷な環境に最適。
- デメリット:価格が高めで、重量も増す傾向。
ポイント:本格的なアウトドアや長期の旅行には3層構造、日帰りハイキングや軽い用途には2.5層構造、普段使いや街歩きには2層構造が適しています。
3. シェル(素材)の種類

レインジャケットの素材やシェルの種類も、選択の重要なポイントです。
ハードシェル
- 特徴:高い防水性・防風性を持ち、耐久性がある。
- 適した活動:登山、スキー、過酷な天候での活動。
- メリット:悪天候から確実に身を守る。
- デメリット:通気性が低く、動きにくい場合がある。
ソフトシェル
- 特徴:通気性と伸縮性に優れ、動きやすい。
- 適した活動:軽いハイキング、ランニング、クライミング。
- メリット:快適な着心地で、適度な防風・撥水性。
- デメリット:防水性は低く、激しい雨には不向き。
インサレーション付きシェル
- 特徴:中綿が入っており、保温性が高い。
- 適した活動:寒冷地での活動、冬のスポーツ。
- メリット:暖かさと防水性を兼ね備える。
- デメリット:重量が増し、持ち運びに不便な場合がある。
ポイント:活動内容や気候に合わせて、適切なシェル素材を選びましょう。
4. サイズとフィット感
レインジャケットのサイズ選びは、快適さと機能性に直結します。
重ね着を考慮
- 寒冷地や冬季:フリースやダウンなどの中間着を着る場合は、ワンサイズ大きめを選ぶと動きやすくなります。
- 暖かい季節や軽装:薄手の服装の上に着る場合は、普段のサイズで十分です。
試着の重要性
- 実際に下に着る予定の服を着用し、試着してみましょう。
- 肩や胸周り、袖の長さなどを確認し、動きやすさをチェックします。
ポイント:サイズが合っていないと、動きにくかったり、隙間から雨が侵入したりします。試着して最適なサイズを見つけましょう。
5. その他の機能と要素

フードのデザイン
- ヘルメット対応:登山やクライミングでヘルメットの上から被れるフード。
- 調節機能:フィット感を高め、視界を確保するためのドローコードやベルクロ。
ベンチレーション(通気口)
- ピットジップ:脇の下にジッパーがあり、通気性を調節可能。
- バックベンチレーション:背面に通気口があるタイプ。
ポケットの配置
- ハンドポケット:手を温めるためのポケット。
- チェストポケット:地図やスマートフォンなどを収納。
- 防水ジッパー:ポケットからの浸水を防ぐ。
素材の耐久性
- リップストップ生地:引き裂きに強い素材。
- DWR加工:耐久撥水加工で、水滴を弾きやすくする。
重量とパッカブル性
- 軽量モデル:持ち運びが楽で、バックパックに収納しやすい。
- パッカブル:ジャケット自体がポケットに収納できるタイプも。
6. レインジャケットのお手入れとメンテナンス
- 洗濯方法:洗濯表示に従い、適切な方法で洗濯しましょう。防水性能を維持するために、専用の洗剤や撥水剤を使用すると良いです。
- 撥水加工の再生:使用や洗濯を繰り返すと撥水性が低下するため、定期的に撥水スプレーでケアします。
まとめ
レインジャケットは、アウトドアでの快適さと安全性を高める重要なアイテムです。防水性やレイヤー構造、素材の種類、サイズなど、さまざまな要素を考慮して、自分の用途や好みに合った一着を選びましょう。
ポイントのおさらい
- 防水性:完全防水か耐水か、活動内容に合わせて選ぶ。
- レイヤー構造:2層、2.5層、3層の違いを理解する。
- シェル素材:ハードシェル、ソフトシェル、インサレーション付きなど。
- サイズ:重ね着や動きやすさを考慮して選ぶ。
- 追加機能:フード、ベンチレーション、ポケット配置などをチェック。